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Forget for get

呼吸と体を通して、自分を思い出すこと、それは「自分」を忘れること。呼吸と日々の食事でHIVとともに生きる心と身体をケアする松永真美が、生きることを活かすこと、「生活」について綴るつれづれブログ。

目標と目的は似て非なるもの

新年度、新学期が始まり、気持ちを新たに歩き出した方も多いかもしれません。営業成績をあげる! マイナス5キロ! 毎日お弁当をつくる! いろいろな目標を立てた方もいらっしゃるでしょうか。今回は「目標」についてかんがえてみたいと思います。

 

もく‐ひょう【目標】

そこに行き着くように、またそこから外れないように目印とするもの。「島を―にして東へ進む」

射撃・攻撃などの対象。まと。「砲撃の―になる」

行動を進めるにあたって、実現・達成をめざす水準。「―を達成する」「月産五千台を―とする」「―額」

 

デジタル大辞泉

 

 

「目標」とは、目的地までの目印で、あくまでも、通過点。それ自体がゴールではありません。目的地にたどり着くための手段のうちのひとつ、とも言えます。たとえば、東京駅に行くという目的があって、そのために○時の電車に乗ることを目標にしたとします。でも、その時間に間に合いませんでした。そんなとき、もっと早く家を出ていれば、なんで朝起きられないんだろう、私っていつもこう……。こんなふうに、目標を達成できなかったことで自分を責めたりしがち…ではないですか? でも、目的は東京駅に行くことですから、山手線に乗れなければ、タクシーに乗ってもいいわけです。目標は、あくまでも通過点であり、手段。いつでも変更可能なものです。

 

たとえば「マイナス5キロ!」を目標にした場合をかんがえてみます。その目標は、なにを得るためのもの、どんな目的地に行き着くためのものなのでしょう? モテるようになって、理想の彼氏を手に入れて、 結婚して幸せな家庭をつくる? きっとこれは目的ではなくて目標です。目標1:モテる→目標2:理想の彼氏→目標3:結婚→目標4:幸せな家庭。では、幸せな家庭を得ると、なにがあるのでしょう? そこでどんな体験をしたいのでしょう?

 

「安心」かもしれないし「幸福感」かもしれません。「温かさ」や「つながり」「信頼」かもしれませんね。では、これらを体験することを目的としたとき「マイナス5キロ!」から始まる目標は、そこに自分を導くための最善の手段でしょうか? もしかしたら、食べたい物を我慢したり、好きでもない運動をしなくても「安心」や「幸福感」「温かさ」などの目的地にいけるかもしれません。

 

目標を立てる前に、まず、自分の目的はなんだろうか? どんな経験をしてみたいのだろうか? と自分に問いかけてみる。そうしてから、そこに行き着くための目印、手段として立てた目標であれば、楽しみながら達成していけるかもしれません。

自分の行きたい先(目的)が分かって、目標を立てます。そうして、まずひとつ、目標を達成します。そのときには、もう、最初に目標を立てた場所とは違う場所に立っているわけです。そうなると、予定していた2つ目の目標が変わってくるかもしれません。ドライブをしていても、最初はAのルートで行こうと思っていたけれど、景色も良さそうだし、渋滞もないし、やっぱりBのルートにしよう、なんてこともありますよね。

 

目標は、一度決めたら達成しなければならないもの、ではなく、臨機応変にそのときどきで変化していくものなのだと思います。そんなふうにしていると、もしかしたら最初に予定していた目的地とは違うところに行き着くかもしれません。でもそれって、とっても自然なことだとおもうのです。

 

たとえば、りんごの木を植えたとします。どれだけ世話をしても、りんごがいくつなるかは分からないもの。目の前のりんごの木をよく見て、りんごの木が必要としていることをくみとって、水やりをしたり、肥料を与えたり、虫を追い払ったり、精一杯できる限りのことをする。私たちができるのは、そこまでです。100個のりんごを目指しても、結果は50個かもしれないし200個かもしれません。その年に0個でも、次の年に500個実をつけるかもしれません。

 

自分に対しても、同じだと思うのです。自分は今、何を今必要としているでしょうか? ちゃんと見て、それを汲み取って、必要な物を自分に与えているでしょうか? 結果はいずれにしても未知ですから、思い悩むことはありません。

 

精一杯目の前のことに向き合いながら、目標は臨機応変に、その場その場で変えていく。自分ができることは、そこまでです。ひとりで頑張ってどうにかしよう、なんてそもそもが無理なお話なのです。肩肘張らずに、いきましょう。