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Forget for get

呼吸と体を通して、自分を思い出すこと、それは「自分」を忘れること。呼吸と日々の食事でHIVとともに生きる心と身体をケアする松永真美が、生きることを活かすこと、「生活」について綴るつれづれブログ。

ああもうこれが絶対欲しい、ワクワクするし、ワクワクって自分の進むべき方向を表すっていうし、これは私に必要なものなんだ!と思い込んでしまうカラクリ

呼吸 マインドフルネス

不安や恐れは、過去や未来からやってくる。今ここ、という現実には不安や恐れはありません。では、未来を予想してのワクワク感もやっぱり妄想?

 

たとえば、私たちが魅力的なものを前にして、それを得たい、食べたいと思うとき。あるいは、翌日に楽しみなイベント(デートやライブなどでしょうか)があるようなとき。ああもうこれが絶対欲しい、ワクワクするし、ワクワクって自分の進むべき方向を表すっていうし、これは私に必要なものなんだ!ワクワク、ドキドキ、興奮!

 
そんなとき、脳内にはドーパミンという物質が放出されています。このドーパミンの作用は行動を起こさせることであって、幸福や満足感をもたらすものではありません。脳は「報酬」の予感を抱かせることによって、私たちにそれを手にするための行動をさせるのです。

 

ドーパミンが大量に放出されると、人(動物)は、何が何でもそれを手に入れようとし、手に入れなければ気が済まなくなります。意識はすべてそのことに向けられ、わくわくや興奮を感じ、それを手にするために行動すること以外を考えることができなくなってしまいます。さらに、ドーパミンが放出されると、脳のストレスシステムにも信号が送られ、ストレスホルモンが放出されて不安感も同時に感じさせます。

 

このとき、私たちは、ワクワクドキドキするのは、その対象物のせいであり、不安を感じるのはそれを手に入れられないからだ、と思い込みます。この脳の「報酬システム」のおかげで、太古の昔、私たちは危険をおかしてでも狩りに出かけて食物を得て生きることができたわけです。

 

でも、今この瞬間に意識を向けるとよくわかるのですが、この時感じているのは、喜びや幸福ではなく、報酬(おいしい食べ物や楽しい時間など)への期待感です。

 

では、この報酬システムがないほうがいいかといえば、そうでもなく、反応しないと欲望がなく、喜びも感じることができない無感動の状態であり、こちらもやはり満足している状態ではありません。

 

大切なのは欲望や「期待感」と「幸福」を区別することです。何かを得ようとしているときのワクワク感は、不安まじりの期待感であることを認識し、その上でどう行動するかを自分の意志で決めることです。

 

着回しのできるジーンズを買いに来たとします。でも、とっても素敵に思えるワンピースが目に入って気づいたらもう買っていた…。そんなことが起きるのはこの報酬システムによるものです。でも、現代社会においては危険を冒してまで狩りに出る必要はありません。脳の報酬システムを作動させなくても、大丈夫なんです。だから、何かが欲しい!食べたい!そんな衝動が来たら、まず深呼吸。少しの間呼吸に意識を向けてみます。脳の報酬システムに乗っ取られて反射的に行動しないためには(ワンシーズンに1度しか着られないワンピースではなく、本来買おうとしていた着回しのできるジーンズを買うためには)、そんなふうにして今この瞬間に自分をおくことが役に立ちます。

 

ワクワクが自分の進むべき方向の羅針盤になるとよく言われますが、脳の報酬システムによるワクワクなだけ、ということも多々あります。呼吸を落として、静かな自分で、それでなお、肚に躍動感を感じる。そんなワクワクは確かに羅針盤になるとおもいますが。

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ビュッフェやたくさんのごちそうを目の前にしたとき。口の中のものを味わうこと(=今この瞬間を味わうこと)ではなく、次に何を食べようかという期待感(=未来への想像)にのっとられがち。食べものを口に入れたら、一度箸を置き口の中に入っているものを全力で味わってみましょう。写真は友人が作っている赤米です。噛むほどにおいしいお米はマインドフルに食べるのにぴったりです。